麻雀界の故人を偲ぶ その3:小島武夫プロ}

※文中の人名はすべて敬称略です。
※当記事はあくまで筆者の主観ですので苦情等は特に受け付けません。

一つの大きな巨星が消えた
いや、
一つの大きな太陽が地平線の向こうに沈んだ、
そんな感覚である。

麻雀界の巨星墜つ「ミスター麻雀」小島武夫さん死去82歳 麻雀ファンを魅了
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180531-00010011-abema-ent




小島武夫
麻雀プロなんてよく知らないけどこの名前だけは知っている、そんな人も数多くいるのではないだろうか。
阿佐田哲也と共に麻雀新選組を結成し、まさに麻雀プロのはしりとして長い間業界の顔として戦い続け、
そして「魅せる麻雀」を信条に多くのファンを魅了し続けてきた、
そんな一人の競技プロがこの世を去った。

僕らの世代には似たような人が多いかもしれないが、
僕が初めて知った麻雀プロの名前も「小島武夫」だった。

高校生の時、「もっと麻雀を強くなりたい」と思って生まれて初めて買った麻雀戦術書が、
「小島武夫の負けない麻雀」だった。
※この著は日本で一番売れた麻雀戦術本らしい

まあ正直に、この本の内容はほとんど覚えていない^^;
覚えてるのは色々な勝負論についてのお話や、「裏スジ」の話くらいかな・・・
というかこの次に買った「安藤満の亜空間でポン」が、
僕の麻雀プロとしての原点になったまである本だったので印象的にもどうしても薄かったりもする。

ただそれでもやはり、
当時は今の様にネットもほとんどなくごく限られたメディアしかない中、
僕に初めて「麻雀プロ」という存在を知ったきっかけをくれたのが先生であり、
その後に近代麻雀を買うようになってからも漫画や記事で何度もその名前を見たし、
その10数年後に初めて王位戦で同卓させて頂いた際は、強い興奮を覚えた。
僕の麻雀プロとしてのルーツを作ってくれた方の一人であり、
それは同世代の多くのプロにとってもそうだろう。




さてちょっと話は変わる。
僕は上述の王位戦等で何度かお見かけしたことはあるが先生との個人的な接点はほぼ皆無である。
なので個人的な思い出なんかは書けない。
一方で私見を挟まずに、あくまで競技者の一人として、あくまでこの業界のファンとして見て、色々と考えた中、
「100年後の競技麻雀界は小島武夫をどう評するだろう?」
こんな事をちょっと思ったりもした。

小島武夫と言えばこの業界の第一人者であり、
とにかくファンを大事にする、
多くのファンに愛されたまさに麻雀プロの鑑的な存在であった一方、
近代の若手プロの価値観の変化を誰よりも強く否定してきた一人、でもあった。
これは事実である。

色々なところで先生が口にしていた若手の麻雀に対する
「品がない」
「格が低い」
「勝つだけならだれでもできる」
という言葉や堂々した打ち方批判、
「近年のファンの思考レベルの高さや多様性を考えると、昔の”魅せる”と今の”魅せる”って同一じゃないんと思うんですけど・・・・」
「たとえ価値観は違えど同じ麻雀を愛する人間同士として、もうちょっと理解を示してほしいんだけどな・・・・」
とか思ったりした若手も多かっただろうし、
ネット上にはそんな先生の頑強な意思を批判する競技ファンがいたのも事実である。

正直に今こうなって、先生の真意をちょっと聞いてみる機会が一度はほしかった、と思ったりもする。
自分が数十年かけて築き上げてきた価値を壊される事への拒否だったのか、
それとも我々の事を実は応援しつつもそれに対する「ファンを第一に考えろ」という叱咤だったのか。

んで上述の通り、
これらの色々な側面を含めて100年後の麻雀プロ、もしくは麻雀の研究家たちが、先生をどう評するか
ちょっと興味がわくのです。

もんの凄いオーバーな話になるかもだが、
歴史に名を残す多くの偉人は、
その人の長い人生は勿論、その後の影響も含めて色々な側面から評価を受けるケースが多い

例えば江戸幕府8代将軍の徳川吉宗、
「享保の改革」で江戸幕府の財政を立て直した名将軍、と歴史の教科書は銘打ってるが、
一方で彼の改革の根幹は農民への税金の強烈な引き上げであり、
結果として長期にわたる人口減や一揆増加を引き起こし、幕府の財政や権威を失墜させる引き金を引いた人物、という歴史評価の側面がある。

他に桶狭間で信長に殺された今川義元の後継者の今川氏真、
父の死後10年で大名今川家を滅亡させてしまったダメ主君という事実がある一方で、
実はその後に公家への知識や徳川とのパイプをフル活用し、旗本として今川家督を明治時代まで存続させたやり手、という側面は無視できない物がある。

まあ「大げさだろ」とは思いつつ、
100年後の麻雀界がどのような姿になり、どんな価値観が生まれているか、
それによって小島武夫が人々にどのような様々な評価を受けるのだろうか、
そして先生がそれに足る麻雀という歴史の中心にいた人物だった、
客観的に見てそう思うのです。




ただどんな後世の評論家も
「まず麻雀プロのはしりとして小島武夫がいた」
「小島武夫が麻雀プロという存在を大きく世に知らしめた」
という事実は全員が認めるのは間違いないでしょう。

本当に色々な先生の姿を思い出すけれど、やっぱり「敬意」という言葉しか思いつかない。
先生のおかげで今の麻雀界がある事に対する敬意、
先生という一つの大きな太陽と同じ時代を歩けたことへの敬意、
細かい話を抜きにしてこれだけは僕を含めた多くの打ち手が感じている事だと思います。

改めて最後に、
先生が築いてきたこの業界、先生が望む方向に出来るかはわかりませんが、
それでも僕が先生と同じくらいの年になった時に「後退した」とは言われないように皆で頑張りたいと思います。

本当にありがとうございましたm(_ _)m
安らかにお眠りくださいm(_ _)m

こちらの記事はhttp://susumutakenaka.blogspot.com/2018/06/blog-post.htmlより引用させて頂いております。情報の真偽につきましてはリンク先よりご確認ください。