麻雀漫画について書いてみる⑰ バード 砂漠の勝負師}

今日紹介するのは2000年に近代麻雀にて連載された青山広美先生の「バード 砂漠の勝負師」

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ラスベガスでマジック界の頂点に立つ天才マジシャン「バード」、彼の指はその卓越した技術ゆえ『神の指』と称されていた。
彼はとある日、日本のヤクザ・般若組から麻雀の代打ちの依頼を受ける。
最初は東洋の島国にも麻雀にも興味を示さなかった彼だが、
無敗の代打ち「蛇」の存在、そして彼の必殺技「全自動卓一人天和」の話に興味を覚え、戦いを決意する・・・

2000年当時は既に全自動卓が当たり前だった時代であり巷の雀荘でも「イカサマ」というのは絶滅していた時代でした。

そんな時代の中で「全自動卓に一人で天和を積み込む」という前人未到の大技を操る「蛇」、
そしてマジシャンとしての様々な技と視点を持ち込んでそれを解明していくバード、
彼らの対決とそこに至る様々なロジックとトリック、そして技の応酬がこの漫画の見どころです。

第2話にてバードが麻雀のルールを覚えた直後に般若組の3人と試し打ちをするシーンがあるのですが。
「ツモとは不要牌を山に数枚戻して代わりを持ってくる行為」
「相手のポン、チーは河や山をかすめ取る絶好のカモフラージュ」
「カンは王牌をすり替える為の十分条件」
「多牌は多いほど有利」
「裸単騎は最高の多面待ち」
「誤ポン、誤チーは戦術上の重要なオプション」

といったように麻雀というゲームをマジシャンという視点から見て、どのような勝つかの戦略を説いています。そして最大の謎である全自動卓一人天和にしても根本的にはその視点で描かれた技です。
このように他の麻雀漫画とは根本的に異なる視点から麻雀を描いているのですが、牌姿もけして荒い物ではなく、全体のトリックや駆け引きもきめ細かい内容で読みごたえのある作品です。

以前に紹介した「ショーイチ 20年間無敗の男 」が麻雀というゲーム領域での技を精巧に書き上げて面白さを表現しているのに対して、この漫画はその枠組みも離れたトリック領域での技を精巧に書き上げて面白さを表現している、とでも言いましょうか。
https://susumutakenaka.blogspot.com/2017/07/20.html



さて青山先生ですが、
この作品の数年後、ジャンプなどでいくつか連載経験のあった山根和俊先生とタッグを組み、チャンピオンにて「ギャンブルフィッシュ」というお色気+ギャンブル漫画を描きます。

そしてその作品で培った2人のノウハウを元に2011年からこのバードのセルフリメイクを近代麻雀で連載しております。
こちらはなんと「蛇」との戦いの続編も書いており、2018年もいまだに続いております。

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本家とリメイクの主な違いは
① とにかくお色気シーン増量
原作ではドレッドヘアにヒゲのオッサンだったバードの相棒「ゴドフリー」が可愛い女の子になってたのはビビりましたw
そして単なる殺人狂的なキャラだった蛇も、SMクラブに行くわ男も女も喰いまくるわ、と設定が微妙に違う

② 蛇のトリック設定はさらに緻密に
原作でトリックの「これ無理じゃね?」って思ってた部分が科学的補足もされてさらに緻密になってます。
ここらへんはリメイクの甲斐あったかな、と。

③ 「蛇」の後の新章
・・・・すみません。1巻分くらいでお腹いっぱいになり読むのやめましたw
原作では蛇の相方(役立たず)だった不破が数年の時を経てバードに挑戦する内容なのですが、
その不破さん、蛇に強姦された影響で男にしかエレクト(勃〇)しない体になったのでバードのお尻を狙ったり、その割にはエレクトさえすれば女は抱けるらしく解説席でいきなりおっぱじめたり。
「蛇」編よりもさらにくどくなったお色気描写とあまり面白くないトリック部分にもう嫌気がさして・・・・



まあ総括として原作およびリメイクの「蛇」編、は非常にお勧めします。
上述のトリックや牌姿等の作りこみ部分はもちろん、
全自動卓一人天和を生み出すに至った蛇の狂気と執念、
それを打ち破るバードの執念、
それらが物語として非常に上手く描かれた名作です。
興味のある方は是非。

●まとめ:麻雀漫画について書いてみる
http://susumutakenaka.blogspot.com/p/blog-page_57.html

こちらの記事はhttp://susumutakenaka.blogspot.com/2018/06/blog-post_27.htmlより引用させて頂いております。情報の真偽につきましてはリンク先よりご確認ください。