麻雀漫画について書いてみる⑥ ショーイチ 20年間無敗の男}

今日紹介するのは神田たけ志の「ショーイチ 20年間無敗の男」。
柳史一郎著作の『伝説の雀鬼』(講談社ノベルス刊)を漫画化した作品である。



題名をみれば解るとおり、
雀鬼流の祖である桜井章一氏をモデルとした作品。

幼少期に誰よりも麻雀を嫌ったはずの桜井章一が麻雀に触れ、麻雀を覚え、麻雀を愛していく。
覚えてわずか半年で裏世界の麻雀の舞台に立ち、それ以降20年間無敗となる。この作品では20年の間にある代打ちの闘牌や日常などが描かれている。

・・・・まあ桜井氏は数年前に「20年間無敗は嘘」と認めているとおり、実在人物をモデルにしたフィクションである。

雀鬼流や桜井氏は人によって好き嫌いが分かれる場合があり、
その題材からこの漫画を食わず嫌いする人もいると思われる。
が、この漫画、筆者の目からすると結構良く作りこまれた良作である。

物語の展開としては、
桜井氏が超人的なイカサマ技と雀力で相手に勝ち続けるという内容、これはまあ想像通りだろう。
というかこの漫画以外の桜井氏をモデルにした漫画も大体そんな感じだw

だがこの漫画、とにかく闘牌内容がしっかりと作りこまれている。
当時雀鬼流にも所属していた安田潤司さんが監修をしていたのだが、彼が作品のディテイルにこだわった事が良く解る内容であり、他の雀鬼をモデルにした漫画とは明らかに一線を画している。

そしてそれ以上に凄いのがイカサマ技の描写部分。
まあ世の麻雀漫画には結構麻雀のイカサワ技を題材にした物が多い。
かってこのブログでも紹介した哲也はその典型だろう。

http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/05/blog-post_12.html



だがこの漫画ほど、元禄積み、ドラ爆弾等の詳細をしかも各人の思考と技の応酬を交えて細かく書いている作品はおそらく他にはない。
特に作中屈指の名勝負である「治外法権麻雀」は本当にクオリティが高い。

というか、この漫画を読むと「イカサマ技の描写というのが、じつはヒラ勝負の描写より難しい」という事実を知れる、まである。
このレベルの精密な作りをされると、
ヒラの麻雀に比べてイカサマ技の勝負描写は技術により管理されるフィールドが広くなる事(ヤマの積み方、サイコロの出目などの要素)、
それにより通常の麻雀漫画以上の作りこみが必要になる事、それに気がつく。

その緻密さと面白さこそがこの漫画の魅力であり、「麻雀のイカサマ技を題材にした日本で一番作りこまれた漫画」と評価されるべき出来だろう。

神田たけ志先生が麻雀漫画をこれ以外はあまり書かなかったのもあり、現在この作品は雀荘でもあまりみかけない。が、間違いなく良作の部類でありその点を解っていたファンは結構居たのだと思う。そうでなければ月刊誌にてシリーズ合計17巻続き、Vシネマとしてシリーズ化されるような作品にはならなかっただろう。

改めて考えて、この当時の麻雀漫画は本当に良作が多かったと思わされる。
麻雀オタならその面白さに嵌る内容と思うので、もしも雀荘で見かけたら、先入観なく読んでもらいたい。

こちらの記事はhttp://susumutakenaka.blogspot.com/2017/07/20.htmlより引用させて頂いております。情報の真偽につきましてはリンク先よりご確認ください。