麻雀漫画について書いてみる②打姫オバカミーコ}

さて、今日紹介するのは片山先生の代表作であるこの漫画。

プロ競技麻雀の世界で初心者同然の駆け出し女流プロ雀士が成長してゆく様を描く物語。

意図的にほぼ毎回必ず、麻雀の戦略上重要なポイントを詳しく解説する場面が描かれており、初級者・中級者のための上達指南書としても作られているのも特色である。

闘牌内容のしっかりした作りこみや、基本的な戦術についての説明部分はやはり秀逸、
麻雀の基本的なルールを理解した人が次のステップに進むにあたって、これは格好の教科書とも言える作品となっており、麻雀を強くなりたい貴方には特にお勧めします。

さて、個人的にこの漫画について非常に面白いと思っているキャラが二人いる。

一人が物語の最終盤に出てくる新生代デジタルの申し子「デジミユ

彼女について言うなら「ここまで近代デジタルを正確に表現しているキャラは麻雀漫画においてみた事がない」だった。
そもそも麻雀業界で「デジタル」という単語が普及した時期から、
有名漫画・マイナー漫画にかかわらずそれを自称するキャラクターは多々出てきた。
しかしそれらの大多数が先手・好形をとにかくひたすら重視するタイプの打ち手として描かれており、その姿に「デジタルなのかこれ?」と突っ込みいれたくなる人達ばっかりだったのが正直なところである。

だがそんな中でデジミユは全く違う感覚を持ったキャラクターだった。
打点の重要性や麻雀の相対性を作品中で説き、「間違ったデジタル」という言葉を使って麻雀がトータルバランスを重視すべきゲームであることを示す印象的な存在だった。
もうちょっと彼女が活躍する姿を個人的にはみたかった気もする。




そしてもう一人が「ミーコ」
この漫画は基本的に序盤から中盤は以下の展開が主になる
①波溜プロがミーコに戦術アドバイスをする
②ミーコがそれを実践。ところがアドバイスを守ってはいる物のミーコのやる事は基本的に間違った「おバカ行為」
だがここに存在する矛盾が麻雀のゲーム性そのものを表している点が多い。

これを特に象徴するのが第二話
波溜プロがミーコにこんな教えをする

麻雀で攻めるか押すかの判断の基本
先手
好形
高得点
このうちのどれか二つが揃っていたら押せ、揃っていなかったら引け
という物である。

そしてこれを受けたミーコは

  1. 子供の先制リーチを受ける⇒ 親の国士48000をテンパイ⇒ 高得点は満たしているが残り二つが足りないのでベタオリする
  2. 中のみ1000点の1-4s両面待ちをテンパイ⇒ 親のリーチを受ける⇒ 一発でドラの⑤を持ってくる⇒ 先手・好形なのでドラの⑤を親に真っ向勝負

さてこの場面のポイントは親の国士を平然とおりるミーコのおばかっぷりも勿論なのだが、
「ミーコはきっちり波溜プロの教えを守っている、それなのにおバカ」という点にある。
念のために言っておけば波溜プロの教えは非常に的確な戦術論でもあるし間違っていない。
それを忠実に守った上で、それでもおバカになる。

なぜか?
これを論理的に説明するには結構麻雀のゲーム性をしっかり把握していないといけない。
つまり一見何気ないミーコのおバカ場面が、実は麻雀の持つゲーム性の難解さを示している、そういった場面がこの漫画の隠れた見所の一つと個人的には思っている。
そして波溜プロは「どうやって教えたらいいんだ!」と苦悩していく訳であるw

改めて、
初心者~中級者には麻雀戦術を楽しく学べる本として、
中級者以降の人には麻雀の持つ矛盾性を改めて見つめなおす機会として、
麻雀漫画史上屈指の名作の一つである事は疑う余地が無い。

読んでない方は是非に^^

こちらの記事はhttp://susumutakenaka.blogspot.com/2017/03/blog-post_31.htmlより引用させて頂いております。情報の真偽につきましてはリンク先よりご確認ください。