麻雀プロがマナーや手順にこだわる理由}

将棋に「待った」という行為がある。
簡単に言えば、一度着手した駒から指を離した後にそれを修正しようとする行為、
麻雀にたとえるなら打牌が河についた瞬間に慌てて戻す行為、とでも言えば良いだろう。

プロの公式ルールではこれは反則になっている。
そして過去公式対局にてこの「待った」による反則で負けとなったケースが1つだけある。

そのプレイヤーは数々の記録を作り惜しまれながらも昨年に引退した加藤一二三 九段、
対局は2005年5月26日の銀河戦という放映つきの対局だった。
ここで加藤九段のとある一手が「待った」と判断され、
・来期の銀河戦の出場停止
・罰金
といった処罰が下ったのである。




そしてこの事件で個人的に関心を持ったのが、
・対局中に相手のプロ・立会人・そして加藤九段も含めて「待った」という認識はしてなかった点
・それが後日の視聴者からの抗議によって待ったと認定され、連盟が処分を下した点
ここである。

確かに加藤九段の所作はかなり紛らわしい部分があって、立会人も秒読みにて混乱をしていた部分があった。(この点は対戦相手が対局中に抗議もしている)
ただそれでも「反則手」とは考えていなかった。
ところがこれを見ていた多くのアマチュアはそう捉えなかったのである。

僕は将棋を見る事はあっても指すことはあまりしない。
ましてやフリー雀荘みたいに知らない人と指す機会なんて無い。
でもフリー雀荘と並べて考えると、
こういったマナーの面から見た悪質と呼べる行為が以下にトラブルの基になるのか、という点は想像に難くない。

加藤九段の行為は超初心者の僕から見てもかなりいただけない行為である。
そして色々な人と将棋を指すレベルの愛好家から見ると、
普段よくトラブルになる事、関心が高い事について、名人経験のある大棋士がそんな事をしたので「いくらなんでも、あれはひどいんじゃないの?」という抗議をするのは自然と思える。
結果としてそういった世論に連盟が判断を下した、という事だろう。
競技団体として非常にしっかりした英断に見える。




さてちょっと麻雀の話をしたい。
麻雀のマナーに関するトラブルは将棋の比ではないと思われる。

巷の雀荘だと「店によってアウトとセーフの境界線が異なる」という問題もある。
地域密着型の場末雀荘だと、先ヅモが当たり前の店もあるし。

そんな中で競技麻雀のルールやマナーの手順規定というのはものすごく細かい
日本プロ麻雀協会の規定をベースに話すが、

例えばポン・チー・カンにしても、
・鳴く部分を公開
・鳴く牌を取る(取牌)
・いらない牌を切る(打牌)
とされている。
また「チー」については「ポン」「カン」が無いのを確認するためにワンテンポを置く、といった点もある。

また牌をツモって打牌をする場合、
ツモった牌は打牌完了までは右端or左端に置いておく、という規定もある。

リーチは「宣言」「打牌」「1000点を場に出す」の順に行うと決められている。

そう、
競技麻雀って面倒なのだ。
でもこれらは全て麻雀というゲームを「競技」とするために、
出来る限りの情報を正確にお互い開示し合う、という目的に沿ったものが大半だ。(他は相手への礼儀)

たとえばチーにしても、
⑧を⑧⑦⑨でなくか、⑧⑥⑦で鳴くかは、
他3人からすれば大きな情報の違いである。
それ次第で副露者の切った牌を鳴くか等の判断も異なるケースがある。

これはものすごい細かい話だし、巷のフリーでは無視する人が多いのもまあわかる。
でもその細かいところを突き詰めてゲームとしての麻雀を競技に近づける意図があるわけだ。
だからこそ麻雀プロはマナーや手順ってヤツには徹底的に気を配るべき、
個人的にはそう思っていたりする。

より麻雀が楽しいゲームと認知される為に、
フリー雀荘で相手のマナーにやきもきする人がいる、そんな事を少しでも減らす為に、
「普及」の役割を麻雀プロが担ってるならなおさらである。




先日、
とある対局にて相手の所作を見て、正直にちょっとがっかりした事もあった。
「ここまでがっかりするものなんだなあ、、、」
と自分で自分にちょっと驚いて思って理由を考えてみたが、
やはり上記の麻雀というゲームの性質や現状が僕の中にあるからなんだろう。

麻雀プロはそれだけで生活なんて現状はできない。
でも「食えない世界だからこそ拘りを持つべき、技術は負けない物にするべき」
とある先輩が周りに言ってたこの言葉、僕がそれに強く心をつかまされたのが10年くらい前である。
どんな対局でも「自分の考える麻雀のあるべき姿」ってヤツを体現したいし、
その為の技術、そしてマナーについてのこだわりを持つべき、
個人的にはそう思うのだった。
・・・・まあ「だったらもっと打牌フォームを綺麗にしろ」とか言われそうだがw
とか思ったりもしたがw

なんか暇だから書いてみた雑記でした。

こちらの記事はhttp://susumutakenaka.blogspot.com/2018/01/blog-post_26.htmlより引用させて頂いております。情報の真偽につきましてはリンク先よりご確認ください。