我々が”勝負”に魅了され愛してやまない理由を考えた}

「勝負事には”流れ”がある」
これはギャンブルだけでなくスポーツにおいても昔から常々言われている事である。

「ここはしっかり守って流れを相手に渡さない事が大事です」
「ここでしっかり加点してまずは悪い流れを断ち切りたいですね」
スポーツの解説者のこんなセリフはよく聞くし、
麻雀の解説でも「流れ」という言葉は出てくる。

んで、
「流れ」というのは心理学でいうと「クラスター錯覚」という現象に分類される。
「ランダムに起こるべきある出来事がまとまって起こったとき、それをランダムでないと錯覚してしまうこと」

例えば、
コイン投げで表が続けて4回出たら「偏り」とみなす人がいるかもしれないが、
20回連続してコインを投げた場合、表が続けて4回出る確率は50%ある。むしろ確率どおりの数値で結果が交互に出る方が珍しい。
よーするにある程度の偏りっていうのは当たり前で、それらはむしろランダム性の立証とさえいえるわけだ。



クラスター錯覚については、近代様々な分野で統計が勧められ、それが”幻想”という結論が多方面で出ている。
多くのギャンブルは勿論だが一番個人的に興味をそそられた事例は、バスケットボールの「ホットハンド」を題材 とした研究。

バスケットボー ルでは昔から選手・コーチ・ファンとも、選手に「hot steaks」(熱い乗り)と「cold streaks」(冷めた乗り)があるという考え方があった。
しかし1900年代後半にて複数チームを対象にし2シーズン中のシュートを決めた選手について詳細に調査を行なった所、
選手はシュートを連続して決めたり外したりするが、それは確率的に期待される以上のものにはなって無いという結論に至っている。
つまり「ホットハンド」は確率の範疇は抜けてないただの錯覚、という統計的見解が出たわけだ。

だが「ホットハンド」の信者達にこの統計を見せたところ、
出てきたのは拒絶反応だったケースが大半だったという。
「我々は経験のおかげでバスケットというゲームを”もっと良く解っている”」、
麻雀においてもオカルト信者から大体よく聞くようなこの手の発言、他分野でもよくある事のようだ。

結局こういった勝負におけるクラスター錯覚は、2000年代においてほぼ立証されつつあるのが現状だ。
麻雀においても「勝つための戦術」として流れの重要性を語る人は、2000年代においては減少しているのは事実だろう。それでも根強い信者は無論未だにいるが。
ただ僕自身もそういった点を戦術として組み込む事には悲観的だし、する意味も感じない。まさに「錯覚」と考えている。



でもそれはあくまで競技選手としての目線であり、
異なる他の視点からすると、それを信じるか否か、否定して捨てるか否か、というのは全く別問題である。

「神は死んだ」と呼ばれる科学全盛のこの時代でも、
紀元前と同様に宗教という存在がいまだに亡くならないのは何故か?
多くの日本人がこのネット社会においても大自然や宇宙に強い感動を覚えそこに神秘を感じるのは何故か?

W杯2018、
日本vsベルギー戦、
日本中が歓喜し、そして涙したこの戦い、
おそらく僕だけじゃなくて多くの人が、後半ベルギーが初得点を挙げたあの瞬間、
相手のセンタリングの上げそこねともとれるような微妙な球が日本のゴールを揺らした瞬間に、
「勝負の流れが変わった」
「微笑み続けた勝負の女神がそっぽを向いた」
そんな事を思ったのではなかろうか。

日本にミスがあったか?
おそらくあったとも思う。
それが元になり流れが変わったのかもしれない。
でもそれも含めて「流れ」でありドラマなのだろう。

ちなみに機械同士の戦いではこういった逆転劇はあまり生まれない。
典型例として、AI将棋ソフト同士が戦った場合、大体の試合は序盤にリードした方がそのまま勝ち切る。理由はAIは凡ミスをしないからである。

「流れ」というやつは多分終わってみればの結果論なのかもしれない。
でも人間同士が戦うから、勝負に流れと呼ばれる逆転要素が生まれる。
つまり人間同士が戦うからこそ人々を魅了する神秘的な物が生まれる。
勝負事における人間にはあがえない運命的な力、その存在の可能性に、多くの人が魅了される。
今回のW杯を通してそんな「勝負という物が人々を魅了してやまない理由」これを思い出した気がした。



思えば今回のW杯における日本の下馬評は最低だった。
でも選手たちはコロンビア戦の勝利をもとにベスト16にすすむ見事な逆転劇で我々を魅了し、
最後まで本当に我々を楽しませてくれた。

日本中を魅了し、
僕自身には勝負の面白さって奴も改めて思い出させてくれた日本代表に改めて感謝の意を述べたい。

サッカー日本代表の皆さん、本当にお疲れ様でした。
多分今回のW杯の記憶は僕の中でずっと残ると思います。
ありがとうございました!

多分僕がサッカーファンになるのは次の3年後とかだけど、その際はまた是非楽しませてください!w

こちらの記事はhttp://susumutakenaka.blogspot.com/2018/07/blog-post.htmlより引用させて頂いております。情報の真偽につきましてはリンク先よりご確認ください。